2001.01.18
簡潔に完結
「高校サッカー取材日記」
〜最終話〜
12月24日(日)
きのうの定食を食べた時の満足感が忘れられない私は、朝食も定食にしよう!と定食屋へ。しかし目玉焼きがハンバーガーに挟まっている目玉焼きのようにまん丸。きっと目玉焼きが誰でも焼けるま〜るい店専用のフライパンがあるのだろう。味は普通だが、形に少し落胆。
特急で千葉の佐原まで。そこからは鹿島神宮駅まで鹿島線に乗る。途中、利根川を渡る。河口に近い事もあり、大変幅が広い。
郡山高校の練習試合会場は、駅から車以外に手段が無い。タクシーに乗り、地図を頼りに会場へ。奥まったその会場は確かに芝生でサッカーゴールも横たえてあるが、人影は全く無い。試合開始の12時半まで1時間近くあるので暫く待つ。12時を過ぎても誰も来ない。もしかして間違えたかと思い、念の為江本監督に連絡を入れる。「あ、時間が変更になりまして、2時からです」という声。嗚呼またぽかをした。取材は前日に確認をとるのが鉄則だが、前日は定食に満足して肝心要の事をし損ねていたのだ。昼食を食べていなかったので、Jというファミレスで食事をとりつつ時間を潰す。
練習試合を見る。この時、江本監督はディフェンスで色々な試みをしていた。実は対戦相手の草津東高校の速い攻撃を想定して、どの選手が最も正確なポジショニングで守れるかを試していたのだ。それまでの練習試合では大学チーム等と対戦する事で、全国の高校トップクラス、若しくはそれ以上のスピードを体感させてあり、この日からは3日連続で北海道・東北の選手権出場校と練習試合をする事で仕上げる事になっていたのだ。初日、江本監督は県大会の決勝とは違うメンバーも投入し、「この練習試合3連戦で見極めて先発メンバーを決めようと思います。」との事だった。どの選手にも先発出場の可能性があり、最後までサバイバル競争をさせる事で、チーム内の戦う意識を高めておこうと言う意図も感じられた。
練習試合は1対3で敗退。攻めていたにも関わらず得点できず、少ないチャンスを確実にものにする相手に先制を許す。「元々ミドルレンジからは良いシュートを打つ」と江本監督が語る猪狩選手のミドルシュートで1点を入れるが、結果的に試合をひっくり返す事が出来なかった。江本監督は決定的なチャンスで外した事に憤慨し、急遽居残りシュート練習を課した。
日も傾いて会場から駅までタクシーで向かう途中、運転手が「アントラーズの寮はあそこで、ジーコがランニングしているのを見た事があるんだ」とか「あの建物の中にはジーコの像がありますよ」等と案内してもらった。「きょうはいつもより混みますねぇ。夕方にケーキや鳥のもも肉を買うお客さんが出ているんでしょうなぁ。」と呟いた。そう、きょうはクリスマスイブ。自宅に帰る頃はきっと息子も眠っている時間だろう。
鹿島神宮駅から水戸へ行く途中で既に暗くなっていた。水戸から鉄道でいわきへ、いわきから高速バスで郡山へ。茨城までは暖かかった。が、寒さと見慣れた景色に、福島に戻って来たんだと実感。ちょっぴりほっとする。2泊3日の長い取材の旅も終わり、明日からは実況資料作りとなる。自宅に戻ると居間にはクリスマスツリーが飾られていた。(終)
意外と長くなり失礼致しました。
〜最終話〜
12月24日(日)
きのうの定食を食べた時の満足感が忘れられない私は、朝食も定食にしよう!と定食屋へ。しかし目玉焼きがハンバーガーに挟まっている目玉焼きのようにまん丸。きっと目玉焼きが誰でも焼けるま〜るい店専用のフライパンがあるのだろう。味は普通だが、形に少し落胆。
特急で千葉の佐原まで。そこからは鹿島神宮駅まで鹿島線に乗る。途中、利根川を渡る。河口に近い事もあり、大変幅が広い。
郡山高校の練習試合会場は、駅から車以外に手段が無い。タクシーに乗り、地図を頼りに会場へ。奥まったその会場は確かに芝生でサッカーゴールも横たえてあるが、人影は全く無い。試合開始の12時半まで1時間近くあるので暫く待つ。12時を過ぎても誰も来ない。もしかして間違えたかと思い、念の為江本監督に連絡を入れる。「あ、時間が変更になりまして、2時からです」という声。嗚呼またぽかをした。取材は前日に確認をとるのが鉄則だが、前日は定食に満足して肝心要の事をし損ねていたのだ。昼食を食べていなかったので、Jというファミレスで食事をとりつつ時間を潰す。
練習試合を見る。この時、江本監督はディフェンスで色々な試みをしていた。実は対戦相手の草津東高校の速い攻撃を想定して、どの選手が最も正確なポジショニングで守れるかを試していたのだ。それまでの練習試合では大学チーム等と対戦する事で、全国の高校トップクラス、若しくはそれ以上のスピードを体感させてあり、この日からは3日連続で北海道・東北の選手権出場校と練習試合をする事で仕上げる事になっていたのだ。初日、江本監督は県大会の決勝とは違うメンバーも投入し、「この練習試合3連戦で見極めて先発メンバーを決めようと思います。」との事だった。どの選手にも先発出場の可能性があり、最後までサバイバル競争をさせる事で、チーム内の戦う意識を高めておこうと言う意図も感じられた。
練習試合は1対3で敗退。攻めていたにも関わらず得点できず、少ないチャンスを確実にものにする相手に先制を許す。「元々ミドルレンジからは良いシュートを打つ」と江本監督が語る猪狩選手のミドルシュートで1点を入れるが、結果的に試合をひっくり返す事が出来なかった。江本監督は決定的なチャンスで外した事に憤慨し、急遽居残りシュート練習を課した。
日も傾いて会場から駅までタクシーで向かう途中、運転手が「アントラーズの寮はあそこで、ジーコがランニングしているのを見た事があるんだ」とか「あの建物の中にはジーコの像がありますよ」等と案内してもらった。「きょうはいつもより混みますねぇ。夕方にケーキや鳥のもも肉を買うお客さんが出ているんでしょうなぁ。」と呟いた。そう、きょうはクリスマスイブ。自宅に帰る頃はきっと息子も眠っている時間だろう。
鹿島神宮駅から水戸へ行く途中で既に暗くなっていた。水戸から鉄道でいわきへ、いわきから高速バスで郡山へ。茨城までは暖かかった。が、寒さと見慣れた景色に、福島に戻って来たんだと実感。ちょっぴりほっとする。2泊3日の長い取材の旅も終わり、明日からは実況資料作りとなる。自宅に戻ると居間にはクリスマスツリーが飾られていた。(終)
意外と長くなり失礼致しました。
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